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COWBOY BEBOP 天国の扉のtanakaのレビュー・感想・評価

COWBOY BEBOP 天国の扉(2001年製作の映画)
4.5
子どもからおっさんまで、幅広い年齢層に支持を受けるビバップの劇場版。
時間軸としては23話~26話の間位かな?最終回のその後が描かれる訳じゃないけど、ダラダラ引き延ばそうとしない所に好感持てる。

見所は3点。1点目は今作の敵、ヴィンセント。CVが何と磯部勉さん。滅茶苦茶カッコいいし、何かこう映画観てるって感じがする(後、ヴィンセントって、外国の名前で一番カッコいいと思うのは自分だけだろうか.....?)。キャラの描き方も素晴らしく、スパイクとやり取りするシーンは、それだけで画になってて夢中になってしまった。劇場版に相応しい敵キャラ。
2点目は音楽。今作の為、菅野ようこさんが書き下ろしたサントラが今作を彩ってくれる。ビバップっぽさは少しも失われてなく、寧ろお祭り感がパワーアップしており、場面場面に合った音楽が用意されてる。聴いててテンション上がりっぱなしだった。
3点目は言うまでもなく、アクション。テレビ版でも肉弾戦、銃撃戦、ドックファイトの作画の質は素晴らしかったが、今作は全てがグレードアップ。製作者達の気合が感じられる。中でも、ソードフィッシュと軍の戦闘機との戦いは迫力満点。板野サーカスを彷彿とさせる。SF好きも大満足のシーン。
勿論、スパイクとビンセントとの肉弾戦も外せない。ジークンドーの再現度に、本当に頭が下がった。こうしたシーンに前述の菅野さんの音楽が見事にマッチしており、最早アニメの枠を超えたエンターテイメント作品として、誰もが楽しめる内容になっている。

でも1点だけ難点が.....。面白すぎてラストでの喪失感が半端じゃなかった。
最後のスパイクの独白と、いつもの如く送られる視聴者へのメッセージ。あれはアニメ版スパイクのケジメとも繋がってるのかな。同じ夢の中で生きている男として、ヴィンセントに近しい匂いを感じていて、だからこそ自分もいつか夢から醒めなきゃいけないという決断に行き着いたのではなかろうか。そう思うと、スパイクの哀愁感がより一層増した。

ダラダラ書いてしまったが、ビバップ知らない人でも、是非1度手に取って欲しい。そして気になったら、アニメ版も御覧になって頂きたい。

追伸
ジェット役の石塚運昇さんの御冥福をお祈りします。
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