アタラクシアの猫

ショコラのアタラクシアの猫のレビュー・感想・評価

ショコラ(2000年製作の映画)
4.6
閉塞感の有る村を打破する、良い意味でのKY(空気読まず)で、邁進する強い女。
大人のジブリ・アニメにしても良いような清廉な物語。
“伝統と因習”VS“チョコレート”
チョコレートを題材にした「バグダッド・カフェ」のような雰囲気のある良作。

1959年フランスの小さな村。
そこへ北風と共に母娘が訪れる。
母ヴィアンヌ。
娘アヌーク。
大家の老婆アルマンドから、お菓子屋を開くのに部屋を借りる。

村は断食期で“伝統としきたり”と言う悪習にがんじがらめ。
ヴィアンヌは、チョコレート屋マヤを開店。
村長のレノ伯爵。ヴィアンヌを教会へ誘うとヴィアンヌは行かない、と言う。
娘は居るのにマダムではなくマドモアゼルだ、と言う。
不信心なヨソ者と言いふらす村長レノ伯爵。

マヤでホットチョコを飲む大家のアルマンド。
レノ伯爵の秘書カロリーヌは、アルマンドの娘だが、疎遠になり孫のリュックに会いたくても会えない。

チリ味のピリっと辛いチョコレートを気に入ったマダム。旦那への土産にと、グアテアラ産のカカオを使った「夜に効く」チョコレート。効果抜群(笑)

頭の変な女、ジョゼフィーヌ。万引き。
ジョゼフィーヌの居るセルジュの店で「忘れ物よ」とチョコを届けるヴィアンヌ。
ジョゼフィーヌは粗暴な夫に脅える弱い女だった。

異教徒を排除したいレノ伯爵。
新米の神父の説教を操作して、チョコレートを堕落の悪魔と喧伝する。

しかしヴィアンヌのチョコレートを密かに愛する人もチラホラ増えてくる。
毀誉褒貶(キヨホウヘン)に惑わされず、美味しいチョコを食べて欲しいと願うヴィアンヌ。

ジョゼフィーヌやアルマンド。
犬の散歩のブルカ爺さん。爺さんが恋心を寄せるマダム・オテル。
出てくるキャラクターが愛らしい人ばかり。
特にジョゼフィーヌは、陰の有る暗い女から、美貌と輝きを取り戻して、後半は素敵な女性になる。

カロリーヌの改心の描写だけ若干弱いのが残念。
あと、信仰の第一義は…
どんな宗教でも「隣人を愛する」を徹底するようにしてよ!

とにかく…
とても面白いドラマでした。