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ショコラのRyuのレビュー・感想・評価

ショコラ(2000年製作の映画)
3.8
アカデミー賞5部門にノミネートされた作品。

1950年代のフランス。娘とともにとある村にやってきたヴィアンヌは一風変わったチョコレート店を開く。ヴィアンヌの人柄やチョコレートの美味しさは村人たちを惹きつけていく。しかし厳格な村長のレノ伯爵はミサにも来ず、断食期なのにチョコレート店を開くヴィアンヌを目の敵にする。

宗教絡みの風習により、仲間はずれにされてもひたむきに、そして誠実にチョコ作りにはげみ、人々と交流をないがしろにしないヴィアンヌの人柄が本当に素晴らしく、尊敬の念を抱きました。しかし彼女も完璧な人間ではなく、心が折れそうになったり、子供に自身の考えを押し付けようとしてしまったり、人間らしい部分も垣間見えるいいキャラクターでした。
そんな彼女に感化される人々もみんな何か悩みや苦悩があったりして、それを乗り越えていく様子は見ていてとても気持ちがよかったです。
そして最後の神父の説教、「何を排除するのではなく、何を受け入れるか」、物語をきれ〜いにまとめあげてくれていたと思います。宗教・神を信じるのは自由ですが、自身の考えや宗教を無理やり人に押し付けるのはやはり良くないと思います。正直、真面目、誠実なのも大事ですけど、それで自由が奪われてしまうのなら意味はないと思いました。
ストーリーもそうですが、キャスト陣の演技もチョコレート並に味わいがあったと思います。アカデミー賞+世界三大映画祭で女優賞を獲得しているジュリエット・ビノシュ。品も色気もある超美人!赤い衣装がめっちゃ似合ってました。
お店を手伝うことになるジョゼフィーヌ役は監督の奥さん レナ・オリン。店に来る前と来た後の変わりっぷりが見事でした。
ずっとおばあちゃんのイメージ、ジュディ・デンチ。相変わらず貫禄がありますね。孫との絡みがホッコリしました。
そして流れ者 ルー役をジョニー・デップ。今作は「パイレーツ・オブ・カリビアン」のちょこっと前ですが、この頃から海賊っぽいことしてたんですね(笑)。ロン毛を結んだ姿でギターを弾く姿、カッコよすぎる。出演時間こそそんなにないですが、やはりスター性はハンパないですね。
DV夫にはピーター・ストーメア。この人はホントに悪い奴が似合いますね〜。
厳格すぎる村長や暴力夫などイヤ〜部分も少しはありましたが、基本的にはチョコレートも溶けてしまうほどのあったかいお話で、ホッコリする作品でした。
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