007シリーズ5作目は日本を舞台にした米ソ冷戦時代のSFモノ。SFになるとトンチキ度が増してしまう法則はたとえ5作目になっても逃れることはできなかった。日本の描写に関しては日本人俳優も出演しているわけで修正もあったようだけどアクションに関してはどうしても忍者出したいし手裏剣も飛ばしたいし刀で斬り合いしたいしこのあたりは向こうも譲れなかったんだと思う。
米ソの宇宙船が未確認の飛行物体に捕獲され姿を消し米ソがお互いの国の仕業だと思うことで一触即発の危険な状態になる。飛行物体は日本の周辺から飛んできているらしいとのMI6の情報によりボンドは香港で死亡したことにして日本に単身潜入する。おそらく公安に相当する組織に所属するタイガー田中(丹波哲郎)の助力によってその飛行物体の基地を探索するボンド。東京オリンピック直後の東京の街並みがなかなか面白い。その間ハーレムのような接待をうけタイガー田中の助手アキといい仲になったりはデフォルト。神戸が東京の隣りみたいな感じだったり姫路城での訓練、神戸から上海の途中にある島として鹿児島の坊津がでてきたり旅情サスペンスみもある。姫路城の訓練のシーンで白壁にたてかけた畳に向かって手裏剣投げたりしていて壁に傷がついたりしなかったんだろうかとハラハラしながら見てたんだけど案の定傷がついたらしい…。アレは見てたら悲鳴でるレベルだった。ボンドが日本人になるというトンデモ訓練はさすがに無理があった。妻を娶るシーンで背をちっさくみせるためか背中を丸めてちょい変顔のボンドにもテンション下がる。日本人はあんな風に見えてるんだろうか。
しかしそんなテンション下がることばっかりでもなかった。出張Qラボがリトル・ネリーと小さな秘密兵器たちともに日本にもやってきたりして定番となってるこのくだりはやはり楽しい。
ボンドの妻となる女性は浜美枝演じるキッシー。いやキッシーってなんだ。逆にアヤシイ。キッシーのくノ一ファッションとボンドの忍者ファッションでスペクターの火口基地に潜入するくだりはもう笑いながら見るしかない。田中を呼びに行っただけかと思ったら特に戦ってる風もないのにキッシーも戻ってきてた。そしてナゼ最後はいきなり水着なのか。戦う準備はできてるのにラストのイチャイチャ要因だけだったのかもったいない
そして5作目にしてはじめて猫ナデナデでおなじみのスペクターNo.1ブロフェルドが顔を見せる。顔出しがあってもお初なので特にビックリすることもなく、ただ猫が爆発音のデカさに驚いててかわいそうだった。逃げそうになるのをガッとブロフェルドに抑え込まれてた。
間一髪のところで米ソの開戦は免れ、爆発で噴火を誘発した火口から溶岩が流れ、一目散に泳いで逃げるボンドとキッシーと忍者部隊。大丈夫なのか。いや大丈夫じゃない。
ボンドガールってけっこうツライ役だよねとこれまでの007シリーズを見てきて思う。節操なしのボンドをからかって遊んでるマネーペニーが1番おいしい役なのかもしれない。不美人発言のド失礼なボンドに返す刀で髪の毛増えたわねって言ってやりたい。
