Mikiyoshi1986

追悼のメロディのMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

追悼のメロディ(1976年製作の映画)
4.0
本日4月9日はフランスを代表するスター俳優ジャン=ポール・ベルモンドの85歳のお誕生日です!
おめでとうございます!

ゴダールやド・ブロカをはじめ、メルヴィル、シャブロル、アンリコ、ジョヴァンニ、レネ、ルイマルなどなど、名立たる巨匠に愛されたフランス映画の生ける伝説ベルモンド。
その中でも断トツの回数で彼を起用し続けたのが名匠アンリ・ヴェルヌイユ監督であり、
本作『追悼のメロディ』は7回目のコンビ作に当たります。

濡れ衣で7年の刑期を終えた主人公フランソワが復讐に舞い戻るサスペンス作品。
地元クルネイを練り歩き、回想によって少しずつその過去が明らかになってゆく演出にはヴェルヌイユならではの叙情が際立ちます。
有力者の町で成り上がっていく順風満帆の日々と、裏切りによって一転殺人の汚名を着せられるフランソワ。

ベルモンドは全盛期の快活さから少し遠ざかり、中年の貫禄で一層の存在感とかっこよさを醸し出してくれます。
ヒロインはアントワーヌ・ドワネル君の初恋の人マリー=フランス・ピジェが演じ、その美貌を遺憾なく披露。

本作は謂わばスコセッシのそれよりも先を行く作品とも云えるわけで、作曲家フランシス・レイの印象的なテーマ曲がこの復讐劇を静謐に彩ります。
オチなんてどうでもいい!ヴェルヌイユが積み上げるストーリーと、そこにベルモンドがいてさえくれれば。

盟友アラン・ドロン様は引退作を控えていますが、ベルモンドはどうかいつまでもお元気で、秘かにカムバックも待ち望んでおります!
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