みんと

ブルジョワジーの秘かな愉しみのみんとのレビュー・感想・評価

3.6
ルイス・ブニュエル監督2作品目を鑑賞。難解さと不思議さ、けれど何故か癖になるシュールさは今作でもしっかり感じた。

掴みどころのない滑稽さなんだけど何故か唆られる作風。今作では食事にありつけないと言うまたしても突飛な設定。何度も試みるも阻まれる食事を通してブルジョワジーを皮肉る感じ。

但し上流階級に反論しつつ決して攻撃的では無く絶妙なさじ加減で、そして最終的に何も完結しないというモヤモヤぶりもある意味徹底されてる。

繰り返し表現の中に現実と夢世界が入り交じり更には狂気まで注ぎ込みてんでバラバラな感じを楽しんでいるかのよう。

いやいやシュールすぎるでしょ!なシーンの数々。もはや目が点、開いた口が塞がらない。コレはコメディですか?!とついツッコミ入れたくなる、けれどコメディにしては詩的表現過ぎたりもする。

ちょいちょい挟んで来る6人が路上を並んで歩く印象的なシーン。ラストでも締められるこのシーンこそがもはや不条理映画の極み。
みんと

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