皿鉢小鉢てんりしんり

座頭市血笑旅の皿鉢小鉢てんりしんりのレビュー・感想・評価

座頭市血笑旅(1964年製作の映画)
3.8
これが1番“名作枠”にくるやつなんじゃなかろうか。手違いで籠ごとグッサリって相当残酷な舞台立てだが、その辺はテンポよく引っ張らない。ただ全体としてはだいぶウェットな仕上がりで、赤子に自分の顔触らせるシーンとか悲哀そのもの。
座頭市が坊さんに、お前には育てられんだろ、とさとされるが、市がさとされる側に回るのもだいぶ珍しい。
こんなお話なので、凄腕ライバル剣豪との決闘は描かれず、悪とは背中から斬りかかる金子信雄である、という信念に貫かれている。のは良いのだが、やつの弱点は耳だ、とか言ってた割には特になんの工夫もなく返り討ちにされるのはちょっとどうにかならんものか?
コメディリリーフ的な按摩衆と、最後だけは黙ってすれ違う、というラストはなんとも言えなくて◎