コーディー

4ヶ月、3週と2日のコーディーのレビュー・感想・評価

4ヶ月、3週と2日(2007年製作の映画)
4.2
『エリザのために』がとても良かったので同監督のパルムドール受賞作であるこちらも鑑賞。いや〜さらに息の詰まる重さ、女子大生の過酷で長〜い1日を描いたこちらもまた見応えあるドラマでした。

エリザの父ちゃんが嘆いていた今なお闇を引き摺るルーマニア。そんな犠牲の元凶、チャウシェスクによる独裁政権末期の1987年が舞台。そんな共産主義の影響を強く受け、〝人口こそ国力〟を実現するため堕胎、離婚の禁止の法律が定められていた時代。
妊娠してしまった女子大生ガビツァは法律違反となる中絶手術を受けようとしていた。そしてそんな彼女を助けようとルームメイトであるオティリアは重なるトラブルに遭いながらも奔走する、、、
またまたカメラをドシっと置き、時には定点気味に長回しな会話劇が続くけど声のトーンや間がホントにリアル。捉える表情も多くを訴えかけてくる。独裁政権下のどこか陰鬱とした空気感がジメジメ迫ってきます。

ただこの映画結構イライラしました。妊娠したガビツァの自分で動かない感、やんわり開き直りもあったり。おとなしめな声の割の図々しさ、口先だけの感謝など自分の問題なのに他人事のように人頼り。要するにガキ!そしてそんな彼女とどれほどの関係なのかはわからないけどオティリアはなぜここまでしてやるのか?社会主義体制の方が人はズルくなるって記事を読んだけどそういうのも関係あるのかな。


いろんな意味でドンヨリとした気分になる映画やけどとことんリアルに生々しくな監督の演出はやはり面白かった。