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ゴースト&ダークネスのよーだ育休準備中のレビュー・感想・評価

ゴースト&ダークネス(1996年製作の映画)
3.0
1898年。帝国主義を掲げる欧州列強によって分割統治されるアフリカ大陸。大英帝国もまた、自国領の支配を強化するためにインフラ整備を急いでいた。有能な技術者であるJohn Patterson大佐(Val Kilmer)は、ウガンダ鉄道敷設のために《ツァボ川へ橋をかける》という命を帯びて現地へと向かうが、そこで恐ろしい人喰いライオンの襲撃を受ける。

多くの犠牲者を出し《ツァボの人喰いライオン》として恐れられた、二頭のライオンによる獣害事件を史実に基づいて映画化。


◆サバンナで一番恐ろしい動物は?

ーゾウだ!カバだ!チーターだ!

〝百獣の王〟と名高いライオンの名前って意外と出てこないんですよね。動物ドキュメンタリー番組なんかで取り沙汰されるライオンのエピソードが、《雄ライオンは狩りをしない》だとか《雌ライオンが集団で飛び掛かってようやく獲物を仕留められた》とか、昭和の気風が漂うライオン社会の苦労話ばかりだからなんでしょうか。

〝王様も意外と大変なんだね〟そんなテレビの前から送られる憐憫を吹き飛ばすかの様な恐ろしい話でした。


◆実録・サバンナの悪魔

若い二頭の雄ライオンが見つけてしまった格好の餌場。増え続ける犠牲者と、重なる不運によって中々仕留めることができない二頭の捕食者。

これが〝野生の勘〟というやつなのでしょうか。人間の仕掛けた罠には全く嵌まらず、描いた筋書きを鼻で笑うかの様にスルリと掻い潜り、労働者を夜毎さらって貪り食う。

エグい回避スキルと強運で、怯えて震える労働者たちが放つ銃弾は掠りもしない。掠めたとしても、分厚い毛皮と筋肉の壁によって致命傷とはなり得ない。畏怖の念にかられた現地の労働者たちが、不死身の〝悪魔〟を作り上げてしまったのも仕方ないのかなぁ。映画化の上で脚色は勿論あるのでしょうが、サバンナの真っ只中で捕食者に睨まれたらめちゃくちゃ怖いでしょうね。現場に居合わせてしまったら流石に〝でかい猫〟とは思えません。

午後ロー放送 × ライオン映画 × タイトル から完全にB級アニマルパニック作品を想像していました。すいませんでした。