寂々兵

譜めくりの女の寂々兵のレビュー・感想・評価

譜めくりの女(2006年製作の映画)
3.8
『テオレマ』に始まる「平和な一家に余所者」系譜のフレンチ・ミステリだが、この女の目的が復讐なのか、そうでないのか、感情の機微も劇伴もなく始終不穏な日常生活が続く至高の80分。画面を豊潤に魅せるためだけに用意しましたと言わんばかりの室内プールや生垣の迷路で戯れるデボラ・フランソワと少年!老いと若さが対立する構図なのでオゾン的だが、ブルジョワがジワジワと崩れ落ちていく点ではシャブロル的でもある。ドゥニ・デルクール作品はこれ以降日本に入ってきてないようで残念。
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