マヒロ

チェンジリングのマヒロのレビュー・感想・評価

チェンジリング(1979年製作の映画)
3.0
作曲家のジョン・ラッセル(ジョージ・C・スコット)は、ある理由から単身引っ越すことになり、知り合いのつてで政治家のカーマイケル氏の財団が所有する大きな屋敷を紹介される。管理人を除いて一人きりで暮らすラッセルだったが、誰もいないはずの場所で家具が動いたり奇妙な物音が鳴るなど、いわゆるポルターガイスト現象に悩まされることになる……と言うお話。

直接的なショック描写は少なく、音などの演出のみで幽霊の存在を示唆するような古き良き幽霊屋敷もの。
霊現象に相対するのがコワモテのジョージ・C・スコットであるというところがミソで、何か超常現象が起きても「!?」みたいな顔するくらいでほとんど驚かないし、しまいには幽霊に向かってキレたりするというホラー映画らしからぬタフさが面白い。

幽霊の正体とその関係者についてはなかなか悲しい因縁があり、それが劇中で何か解消されるわけでもなくただただ因縁として残って終わっていくという後味の悪さも良い感じ。井戸の死体が出てくる辺りとかは『リング』を彷彿とさせられるところもあり、Jホラーへの影響もあるのかも。
一応ホラー映画ではあると思うが、前述の通り主人公には怪奇現象が全然効いてないし、終盤はド派手な破壊描写があるなど画が贅沢な感じもあり、全体的に怖さはない。幽霊を描くのだとしたら、例えば『回転』とかみたいなもっとゾッとするような端正な恐怖描写を求めてしまうので、今作はつまらなくはないがちょっと合わなかったかも。

(2022.191)
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