イペー

XYZマーダーズのイペーのレビュー・感想・評価

XYZマーダーズ(1985年製作の映画)
4.1
力の入れどころ、ソコ!?
ってな具合に、"正しく間違っている"作品なのでございます。

ストーリーに特筆すべきものはなし!
脂っこい殺人鬼コンビから、ダサ男とセクシーなお姉さんが、逃げたり、逃げなかったり。

登場人物はテキトーな方ばかりなのでね、安心して、ホゲホゲしながら観られました。

無闇にハイテンションで、とにかくハイテンポな実写版コミック。
全編通してクドくてベタなギャグの乱れ撃ち。

スラップスティックを通り越した悪フザケの連続、前半から疲労困憊です。
よもやコレが最後まで…という危惧をよそに、ハチャメチャ度は増すばかり。

終盤に至るまで、トゥーマッチな顔芸&死に芸を延々と見せられるワケですよ。
いくら映画に対するセンサーシップがガバガバな自分でも、流石にねぇ…。

「ナニコレ、超…面白い…!」(お約束)

一言で「馬鹿馬鹿しい」と切り捨てることの出来ない "熱" を帯びているのでございます。

本作の持つ"過剰さ"が、自分が映画に求める"ある種の切実さ"に触れてしまう刹那、頬を伝うのはナミダ…。

ええ、泣きましたね…実際。
こんなアホな映画で!

初のメジャー資本で色々と苦労もあったようですが、サム・ライミとコーエン兄弟、そして我らがブルース・キャンベル、製作陣の悪ノリ…もといインディペンデント魂が随所にスパークしております。

何と言いましょうか…。
お話し自体のしょうもなさを、勢いとセンスを推進力にグイグイと引っ張るような。
頭で考えるより先に、カラダが楽しいと感じちゃうような。

若かりしライミ監督の才気が迸り、コーエン兄弟のシニカルな味付けが隠し味。
ダサい! …そして、カッコいい‼︎

ハレルヤが鳴り響く中、感動に打ち震える自分。
誠に手前味噌ながら、本作を心のマスターピースに認定いたします。

…ただでさえ映画の鑑賞本数が減っていて、観たい映画は溜まっていく一方。
この上、海外ドラマにまで手は出せ…
「死霊のはらわたリターンズ」
み、観たすぎる…‼︎
イペー

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