Eike

フロンティアのEikeのレビュー・感想・評価

フロンティア(2007年製作の映画)
3.0
2000年代(2007年公開)のフレンチホラーの一本ですが「ハイ・テンション」や「屋敷女」といった作品に比べると印象が少々薄い。
やはりそれにはそれなりの理由がある訳で…。
本作のイメージは簡単に言ってしまうと「トレイン・スポッティング」+「レザボア・ドッグス」+「悪魔のいけにえ」+「ホステル」といったところでしょうか。

パリが暴動で混乱に見舞われた夜、どさくさに紛れてやばい仕事にしくじった若者たちが二手に分かれてオランダへ向かいます。
国境近くのひなびた安宿に先に到着したグループは宿の女性たちと羽目を外して楽しむのですが、そこはとんでもない家族が経営する恐怖の館なのでした...。
やがて遅れて到着した仲間も加わって惨劇の幕が上がる・・・。

といった物語です。
これは「ホラー」としてはかなりの珍品。
思わせぶりで意味がありそで実は全くと言っていいほど生かされていないキャラクター設定。
唐突に暴走を始めるトンデモ系のホラー展開。
こうした要素のちゃんぽんなのであまり「怖くない」。

ただ、この当時のフレンチ・ホラーらしく残虐描写に関しては容赦が皆無でその点では見どころがあるとも言えますが。
ですがもう少しきちんとお膳立てをした上でお話を組立ててもらわないとみる側としても作品に入り込めないですし「ホラー映画」としてのインパクトも生まれてこない気がします。

色気を出して無駄に見せ場を加えた(銃撃戦とかね)ことも裏目に出ていて後半はかなり息切れしている気がいたします。
もう少し引き締めた展開でまとめてくれればブラックな笑いで包んだ異色ホラーとして大いにアピールする事も可能であったと思うのですが...。
ちょっとアメリカナイズされ過ぎた気配が濃厚で軽すぎる気がしました。
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