らんらん

鯨神(くじらがみ)のらんらんのレビュー・感想・評価

鯨神(くじらがみ)(1962年製作の映画)
4.0
鯨捕りを生業とする漁村で、鯨神と呼ばれる巨大で強力な鯨との戦いを描く

祖父、父、兄、その他多くの村の者が鯨神の為に命を落とし戦ってきた、それ故の憎しみと鯨捕りの誇り、全てを賭けた戦いです

正直見る前は明らかにB級っぽいなーと思ってたんだけど、最初のクレジットで製作に永田雅一の名前があることで少し期待をし、そして劇中においてその本気度、リアリティ度はかなりのもので、認識を改めさせられました

志村喬いるのもあってなんか東宝っぽい、黒澤明風?な気がする
大映って小綺麗な作品のイメージだからボロボロの服、泥まみれ、汗まみれ、水びたしの描写にリアリティ感があって、撮影自体もかなり壮絶そう

事実上の主役は本郷功次郎、今まで見た出演作ではベストだと思う、上っ面だけじゃなくちゃんと演技してるって感じ
一応もう一人の主役に勝新太郎、ジャケ絵にもあるように格ではスター、らしいキャラクターで好演しているが、出番は少ない
たぶん忙しかったんだろうね、当時座頭市、悪名の両シリーズ、その他多数の作品に出演しているバリバリの頃、限られた中でも魅せるみたいな感じです

鯨神のスケールもほんとすごかった、なんかFFのシンみたいな圧倒さがあって、人間のちっぽけさがより強調されて、うまく言えないけどとにかく凄かった
ラストの独白は印象的ではあるけど、戦いの熱を持ったまま終わって欲しかったかなと
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