ホームアローンが久々に地上波で放送されるということで、同じ年にジョー・ペシが出演してアカデミー賞を受賞したこの作品を思い出してしまった。
最初見たときはクソ真面目だったせいでクズいマフィアの半生をフィーチャーされても不快なだけと思ったけれど、後日演出とかが気になって再見してみたときはクズを描いた作品だろうが面白ければ問題無いし、むしろクズを描かないと表現できない面白さがあるのではないかと考えを改めるに至った。
しかし撮影スタイルとかの個性はそこまで無いのに、死体の映像にレイラを合わせるエキセントリックな演出やメインのマフィア三人らの演技や掛け合いのおかげで見応えのある作品になっていて、短めの長編二本分の長さにもかかわらず飽きとは無縁の時間を味わうことができるが、これは役者の演技を引き出すのが上手いロック好きのスコセッシならではの味わいだろう。
品行方正とはかけ離れた下衆い男共だが、そんな奴らの動向を見事に演出して魅力を付け加えてこそ道徳を超越した真に良い映画が仕上がるのかもしれない、そう思わせる傑作の一つだ。