ねぎお

花様年華(かようねんか)のねぎおのレビュー・感想・評価

花様年華(かようねんか)(2000年製作の映画)
3.5
王家衛監督作品。1964年の香港を描いた2000年公開作。
実はグザヴィエドランのドキュメンタリーで、彼が参考に(というか本人曰く「盗む」という流れで)した作品としてあげており、ほーっどんなもんかな?と観た次第。
動く人物の後ろ姿をスローで撮影したシーンがそれのようです。確かにドランの映画にもありました。


さて今作においては、確かに後ろ姿に限らずスローは印象的なショット。また、ドリーショットも心情表現に多用されていて記憶に残る絵です。

記者のチャウ(トニーレオン)と、隣室のチャン夫人(マギーチャン)は共に既婚者。その恋心を描いた映画ですが、王家衛監督、実は物語のはじまりにあたる引越から仕掛けていたと思います。部屋の内部を見せていないわけではないのですが、おそらく観た人のなかで間取りをきちんと書ける人いないと思いますよ。そしてドアが並ぶ廊下だけは何度も登場。
さらに、いるのに見えないのはお互いの伴侶。
この映画は終始チャウとチャンがすれ違い続けるところを写し続けるわけです。ちょっとばかしジレッタイですね。

面白い表現は、〈もしもショット〉が二回。一度逡巡して先に進むと思いきや、どちらかの妄想的にやり直す演出。目を引きました。「ほんとはこうしたいのに・・」を唇を噛み締めたり、手をギュッと握るなどの演技ではなく、はっきり映像化した演出。とても興味深かったです。