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花様年華のRのレビュー・感想・評価

花様年華(2000年製作の映画)
3.6
Maybe I’m not in the mood for love...今回3回目。前二回はDVDで見て、すごい人気な映画なのは分かるけど、なんか好きになれないなーて感じやった。ひょっとしたらまだこの大人っぽいムードを愉しめる年齢に達していないのかもしれない、と思ったり、かなり耽美的な映像勝負の映画なので、ブルーレイで見たら好きになれるかもしれない。と思ったりした。で、ある程度年齢を重ね、ブルーレイで見てみた結果! んーーーーー。やっぱねーめっちゃ好き!!!って感じにはなれない。残念! 好きなひとは心の底から好きなんやろから、好きになれないのが残念だ! 映像がめちゃめちゃカッコいいのは冒頭から一目瞭然。色彩が鮮やかってか激濃厚で、まるで画面から色が滲んで沁み出そうなほど。そして、大人な男女のイケナイ恋路を遮るかのように、常に壁やドアがカメラを邪魔してる。あらゆるショットがめちゃめちゃオシャレな上、色気たっぷりなスローモーションやコマ落とししたような編集など、熱気のこもっためくるめく映像美にのぼせそうになります。そこにさらにピチカートのムフフなリズムが跳ね、妖しげなメロディがのっかってくる。おお! こりゃ素晴らしさが100%保証されてるやん! ってアガるんやけど、見てるとだんだん、おや?おやや? ってなってくる。まず、アパート(?あれ何なんよ誰か教えてよ)のお隣さん同士の旦那と奥さんがその二人で不倫してることに気づいた、奥さんと旦那が、マジかーってなって、今度はその2人が不倫するのか?しないのか?という微妙な関係になっていくのをゴージャスに展開していく。視線やらほんの少しの動きやら何やらで2人の間の熱いロマンスを描いていくんやけど、まずテーマ自体が非常にどうでもよい上、凝った演出が邪魔して、ふたりの感情があんま我がハートに入ってこない。凝りすぎというか、ちょっと気取り過ぎじゃね?って思ってしまった。我が感性の問題かもしれないが。で、主役ふたりの結婚相手の顔も出て来ないし、夫婦自体の関係も、結婚相手同士の不倫の関係も出て来ず、完全に主役ふたりの危ういスレスレ不倫だけがフォーカルポイントとなっている。やから、彼らの人生のなかでその不倫がどんくらい意味を持ってるのか分からへん。それが本作の敢えての狙いなのだろうが、なーんか深みとかスリルとかが全然ないと思ったんよ。だんだんどーでもよくなってくるんす。勝手に何とでもすればええやん。しかも、不倫ってさ、SEXの有る無しで決まるもんじゃなくね? SEX=不倫、SEXナシ=不倫じゃない、ってコンセプト? それは不倫の中の一部の行いであって、あんたらもうれっきときた不倫だよ!!! と叫びたい。けど、もーえーやん、そこまでいったら。別によくない? うじうじグダグダやってんじゃねーよ! そう考えるとデヴィッドリーンの逢引きは地味で地味やけどほんまエモい映画だわ。とは言え、本作の映画全体のムードやルックはほんとに美しく、特に、主演のマギーチャンがエレガントに着こなすおびただしい数のチャイナドレス、その美々しい色彩と柄、演出の仕方はホントため息でる素晴らしさ。マギーチャンのクローズアップがめっちゃ友だちに似ててそればっか気になったけど笑 トニーレオンはこういうモダンに洗練された髪ベタベタのオールバックみたいな役多いけど、もっと気取らない役の方が合ってるよね、ブエノスアイレスみたいな。監督ウォンカーワイもそうな気がする。ブエノスアイレスから本作にステップをとるときに作風がガラッと変わって、ボクはBA以前の方が好きやったなー。 うーん。まぁまたもっとオッサンになったら見てみよーかな? どなたか、ここが見れてないから楽しめてないんだよ! ってポイントがありましたら是非ともご教授願いたい! よろしくお願い致します。Or quite simply, I might not be in the mood for love…笑
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