masa

ヒミズのmasaのレビュー・感想・評価

ヒミズ(2011年製作の映画)
4.5
園子温監督。この人の感性というかメッセージはものすごく共感してしまうんですよね。
原作は古谷実の人気漫画。
染谷将太と二階堂ふみが最高にいいです。

中学3年生の祐一(染谷将太)の夢は、成長してごく当たり前の普通の大人になること。一方、同い年の景子(二階堂ふみ)の夢は、自分が愛する人と支え合いながら人生を歩んでいくこと。しかしある日、2人の人生を狂わせる大事件が起き……。

中学生にして貸しボート屋を営む住田祐一は、父親母親がほんと最低なクズで虐待され不遇な現実に諦観しつつも、平凡な生活を送ることを夢見ていた。ところがある日、かつて蒸発するも突如戻って来た父親と暴力団から虐待を受ける…………

景子は以前から住田を気にかけており、彼がどんな状況になっても救い出そうとする。とても健気で素晴らしかった。

過去の監督作品の常連俳優がたくさん出てきて、園子温ファンとしては最高に嬉しい。特に渡辺哲さんがあの怖い顔で気弱な優しいおっさんを演じて祐一に協力するのがいい。

監督お決まりの救いようのない絶望映画だが、めずらしく、ものすごく遠い遠い彼方だけれどもまだ微かな希望の光があるような気がする。
祐一と景子が、その光に向かって走っているような気がした。気がついたら自分も画面の前でがんばれ!住田!と叫んでいた。

普通なことほど幸せなものはないと思う。
masa

masa