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KAMIKAZE TAXIのRiNのレビュー・感想・評価

KAMIKAZE TAXI(1995年製作の映画)
4.3
「GONIN」で、アレ?もしかして邦画で格好いいやつって、90年代中心に探せば割とあるんじゃない…?と気づきを得たわけですが、で、同じ匂いの今作にびびっときたわけですが、間違ってなかった。最高です。最の高です。
冒頭で語られる移民問題をはじめ、従軍慰安婦問題、新興宗教の盛り上がり、政治家による汚職・脱税など、お堅くなりがちな社会問題もきちんと押さえつつ、飄々としたペルー人ドライバーと血の気の多い若造のバディによる、軽快に進む復讐ロードムービーです。観りゃわかるんですけど、暴力シーンとか、殺戮シーンとかが、妙に乾いていて軽快なんです。BGMのフォルクローレも、突き放したような明るさを感じます。ユーモアのセンスも抜群で、暴力はどこか間抜けですらあります。それでもちゃんと、重めのテーマを無視せずに掲げ続けるんです。で、ハチャメチャに格好いいラスト。掴まれてしまいました。

「恐怖のない暴力、罪の意識のない暴力は、良くないです。」
役所広司のキャリアの中で、一番格好いい役ってこれなんじゃないですか。
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