痺れた。。
日本映画独特の湿度感とそれを逸脱させるシャープで娯楽性の高い暴力を完璧な形でフィルムに収めることに成功した大・大・大傑作ロードムービーだ。。
一人の政治家の世話役を任された若手ヤ◯ザ。。
彼の恋人がその政治家に暴力を振るわれたことに逆上し彼の事務所で暴れたが、ウザったく感じたその組の会長が女を踏み殺した。。
若手ヤクザは復讐するべく地元の仲間たちとその政治家の家にある現金２億円を強奪せる計画を立てる。。
計画に成功するや否や、組にバレてしまい皆殺しに合いかけるが若手ヤクザのみ盗んだ現金を持って命かながら逃げ出す。。
彼は逃げ着いた先で見つけた日系ペルー人が運転するタクシーに乗り込み逃亡の旅に出る。。
しかし、彼は仲間の遺言である「神風やってくれよ」の一言を胸に秘めていた。。。。。
異国情緒漂う笛の音と湿った自然の緑と男の友情の旅、、プツンと切れてしまい怒り狂う感情と暴力と銃声。。
この【静】と【動】の緩急が長尺なこの映画を飽きさせない理由の一つだろう。。
またこの二面性は主人公たちの人間性も表している。。
辛い過去の経験からくる悲しい表情と熱を帯びた不安定な心情。。
この繊細な表現を映像と演出で魅せきる原田眞人監督は素晴らしい。。
そしてそれに応えた俳優陣の演技がこの映画の最大の魅力だろう。。
役所広司もミッキーカーチスも皆さん絶賛する通り素晴らしいが、僕は何と言っても高橋和也の魅力を推したい。。
ジャニーズ所属のアイドルバンド出身とは思えない、ニヒルで危なっかしい演技を魅せる。。
子供の無邪気さと大人の使命感と男の危なさをそれぞれに完全に振り切って演じる彼に引き込まれた。。
また、全編を通して適度に挟まれたセンスの良いユーモアにも注目したい。。
このユーモアが『kamikaze taxi』の不必要な角を落とし、多くの観客の肌に合う娯楽性を持たせているのだ。。
やっぱりラストの惚けた感じは最高ですね。。
あのユーモアは素晴らしいかった。。
Good Job、原田監督。。
