スペイン内戦で妻子を失った喜劇役者の主人公。同じく内戦で両親を失った孤児の少年と出会い、主人公の相棒と共に3人で、喜劇の舞台に立ち続ける物語。
内戦とその後の独裁政治で、まさに激動の時代であったスペインが舞台。政府の弾圧や貧困の最中でも力強く、誇りを持って生きた人々の姿を描いています。
特に大きな展開は無いものの、場面場面を優しく包み込むような音楽に時折挟む笑いなど、良い要素がいくつも伺えます。
大切な人を突然失ってしまう戦争の無慈悲。
その戦争が終わっても決して晴れない心。そんな悲しみや辛さを描きながらも、次第に結束を固める主人公たち。中盤まではその人間模様が中心。
後半からは一気にサスペンスの度合いが高まり、一触即発や間一髪の場面の連続。そして様々な過程を経て迎えるラストの美しさは涙もの。
終盤は結構急ぎ足気味に感じたし、登場人物も多いけど、一人一人の掘り下げがもう少し欲しかったのも事実ですが、そこまで言うとキリがないか。
個人的にスペイン映画はかなり傑作率が高いような気がしています。また色々探してみよう!