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ベビイドールのもんてすQのレビュー・感想・評価

ベビイドール(1956年製作の映画)
3.5
綿繰り(コットンから中のタネを抜き出す?)工場の工場長とその妻(19歳)、工場長のビジネスライバルのお話
幼妻がテーマということもあって聖職者から反発があり、国によっては上映が禁止されたりした作品

工場長と妻のベビイ・ドールは結婚する時に「20才までセックスしない」っていう取り決めをしている
しかし事業がイタリア系移民の新規参入によってボロボロになり、明日で二十歳になる妻から見捨てられそうになる
追い込まれた工場長はイタリア人の工場に火を放ち...という話
舞台の台本を映画向けに書き直した脚本なので、ところどころ劇っぽい

とにかくベビイドールと工場長は仲が最悪なんだけど、工場長は隙あらばセックスしたい欲がすごくて最悪
妻とエッチしたいから(だけじゃないんだろうが)、放火って...

テネシー・ウイリアムズは自己決定権を持たない女性の悲劇を描きたかったのかな
経済的には自立できず、教養もなく、暴力にさらされれば屈するしかない
頼れる人間のいない十代の幼妻・ベビイドールを介して、男社会の身勝手さや理不尽さが露わになる



アメリカで綿花って言ったらもう奴隷の話でしょって感じだけど、これはまさにそれ
そういう歴史を知ってはいたけれど、食堂みたいなところで「カラード」って書かれた看板が映るシーンがあってびっくりした
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