まっどでーもん

風たちの午後のまっどでーもんのレビュー・感想・評価

風たちの午後(1980年製作の映画)
5.0
主演の綾せつこさんが後半、歯磨きをシャカシャカさせながら自宅アパートを去っていくところで幕を閉じるのかと思いきや、その後一転してストーカー劇みたいになる構成が誠にユニーク。🌹

本作、友人と某ミニシアター(地下)で鑑賞したのだが観客が中高年男性ばかりで何ともアングラな雰囲気を醸し出していた。😂

80年の映画にも関わらず所々に「現代的感覚」が散りばめられており相当ハイブロー。所謂レズビアンを描いた映画というよりも「恋い焦がれること」の大切さを強調したラジカルな内容になっている。演出的には初期の若松孝二やジム・ジャームッシュの諸作品を彷彿とさせる。冒頭と最後だけがパートカラーという点も実に巧妙。🤔

また蛇口から滴り落ちる水滴や雨などの「水」の描写が圧倒的。以前は矢崎仁司監督にはそこまで思い入れが無かったが、本作を観てやっとこの監督の真髄を見た気がする。代表作「三月のライオン」は未見だが要チェックすべき映画作家である。平成の終わりに本作を観れてホッとした。🎬

共同脚本に長崎俊一監督。この人も自主制作時代に傑作が多いと聞くが、今にして思うとスタッフ陣がやたらと豪華。