画谷良好

風たちの午後の画谷良好のネタバレレビュー・内容・結末

風たちの午後(1980年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

2019/05/19
醜い、ということの持つ綺麗な何か。
社会規範からは到底外れたアブノーマルな行動も、夏子が垂れ流す吐瀉物も、愛する人の部屋から出た生ゴミを食べる夏子も、愛故の、という理由が付くだけでこんなにも美しく見える。
冒頭近く、あのタイトルコールが出てくるワンカット、あの画がこの物語のテーマ全てを語っている。
人間を愛するということは、無条件で美しいということ。そして、女性という存在の内部にある、グロテスクでもあるが故の美しさ。
蝿が飛ぶ程に、腐った臭いを発しているであろう「あるもの」に囲まれた夏子を写すあのラストシーンで、夏子は女性が宿命的に内部に抱え続けることになっているものを、観客には見えない形でさらけ出している。
映画であるがゆえに、我々が綺麗に捉えることが出来る生臭さを、見事に映像化しているように思える。