40年前の映画なのに、時代を感じさせない。
意図的にセリフや音は小さい、場面によっては聴き取れない。
それでも、登場人物の表情だけで、感情は伝わる。
女の子が女の子に恋をする映画。
人が人を好きになる時、こんな表情をするのか。
美津を独り占めをしたいと思った時から、夏子はもがき、嘘をつき、結局2人の関係は取り返しがつかなくなる。
愛が動機なら、やってはいけないことなんて何ひとつない。
離れたからって愛は消えないので、後半は夏子の狂気が描かれる。
恋に狂う夏子も切ないが、クールだけど悲しい時に悲しいといえない美津も切ない。
ラストシーンは、酔っ払いのお客から花束をもらって嬉しそうに笑う美津の姿を見て、夏子は自分もあんな風に、花のように愛されたいと願ったのかなと思った。