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風たちの午後のclaireのレビュー・感想・評価

風たちの午後(1980年製作の映画)
4.8
夏子の行動なんて理解できないし、そもそもそんな理解なんて無意味であり必要ない。人間とは本来的に複雑でひとつひとつの行動に説明を求めるなど不可能である。彼女が何故そんなことをしたのかと問うてみたところで、愛しているから、としか返ってこない。ゲイライツなんて意識や、ストーカーという言葉すら恐らくほとんど存在しなかった時代。愛が理由でしていいこととしてはいけないことの線引きとは?仮に、ルールとか社会的道徳なんてものがなかったとしたら、夏子の行動は許されないもの、もしくは恥じるべきものなのか?だとしたらそれはなぜ?自己の内からおこる衝動と欲求は、どこまで解放してどこまで抑圧するべきなのか?本来人間が持っている愚かさゆえの美しさというものがあり、最後のショットがその事実を写している。
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