さききち

図鑑に載ってない虫のさききちのレビュー・感想・評価

図鑑に載ってない虫(2007年製作の映画)
4.0
定期的に三木作品を観たくなる時期がある。
今年もその時期がやってきた!

1月に観た『熱海の捜査官』(『ツイン・ピークス』を筆頭に、デヴィッド ・リンチ愛に溢れたドラマ!)に続いて、今日は本作を鑑賞!

三木作品特有の絶妙なゆるゆる小ネタ、
本作で境地に達したシュール&ブラックさ、
そして後の『熱海の捜査官』にも繋がる死生観
が同居しあったこの作品はいつ観ても心地よい時間と笑いを提供してくれる。

例えば次の台詞に惹かれた人は是非!
「あのさー、白玉食ってるやつ見ると魂出てるみたいに見えない?」

◆余談
難解と言われる『熱海の捜査官』は『ツイン・ピークス』の現世⇄ブラックロッジ(悪の意識が生きる世界)の構造をベースに、現世⇄中間世界⇄天国の間に居る者たちを描いた名作だと解している。
同作を再見後、本作を観ると、同一世界の出来事であると思われる共通点、符合性に驚く。
例えば臨死体験、「蛇川」、YES NOランプ、田中哲二演ずる刑事(『イレイザーヘッド』のあの髪型!)、チュッパチャプスさん etc...
中でも、本作での以下の台詞は、『熱海の捜査官』の世界を紐解くヒントになり得る。
どんな感じなんですか?死後の世界ってのは。
-普通。全くもって普通。天国も地獄もない。
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