ニューヨークの石炭船の船頭クリス(ジョージ・F・マリオン)には二十歳になる娘アンナ(グレタ・ガルボ)がいるが、15年前にセントポールの農場に預けて以来、顔を合わせていない。ある日酒場で飲んだくれるクリスのもとに突然アンナが訪ねてくる。彼女は傷心の様子で二人はぎこちないながらも船での生活を始める。
監督はクラレンス・ブラウン。原作はユージン・オニールの1922年の同名戯曲。
サイレント期からの人気女優グレタ・ガルボの初トーキーということで、"Garbo talks!"と宣伝され映画も大ヒットしたそうです。淀川さんの話でよく耳にしていた、初登場の酒場でのシーンがやはり印象に残りました。ガルボの第一声もそうですが、ウィスキーやらビールやら皆飲みっぷりがいいこと。
トーキーに移行する際に、訛りや声質のせいで人気が衰えていく俳優も多かった一方、ガルボが人気を維持できたのも頷ける内容で、本人の特徴と役柄がうまくかみ合ったのだと思います。父親クリス役のジョージ・F・マリオン、その連れマーシー役のマリー・ドレスラー、水夫マット役のチャールズ・ビックフォードもそれぞれ味のある演技でした。
マリオンは1923年のサイレント版「アンナ・クリスティ」にも同じ役で出演していて、また1984年にはシドニー・ルメット監督の「ガルボトーク/夢のつづきは夢…」という映画もある様なので、これらもいつか観てみたい。