Marrikuri

アンナ・クリスティのMarrikuriのレビュー・感想・評価

アンナ・クリスティ(1930年製作の映画)
4.0
不滅の“キレイすぎるお姉さん”グレタ・ガルボが初めて銀幕上で喋った、映画全史上重要な小品。今東京で最もホットでクールな名画座である三鷹市芸術文化センター「星のホール」と主催財団に深謝!

どこか道化っぽい老夫婦(じつは夫婦じゃなかったみたい)のそれなりに内面的な麗しさのある巧みな長会話、、、を露払いにして大登場したガルボの“第一声”は、トーキー続作や続々作での彼女と何やら違って奇怪というかバケモノみたいというかビミョーだった。艶なくて媚びゼロで、自分が映画に出てるんだという自己主張性さえナシっぽく、揺れたりして聞き取りづらくもあり、耳が慣れてからも“不自然なほど自然でぶっきらぼうな”威圧レベルはほとんど下がらない。どんなスター女優の声にも似ておらず、強いていえば、私の近所の六十路のおばさんの声にだけ似てる。。。。
見かけはもちろんさらに硬質で、眉間に頻繁に浮かぶ縦皺二本にもやられ、私なんぞはシッポフリフリの小犬となって彼女の足元にまといつきたくなる以外なかった(と謙遜)。

ストーリーにはこれといった羽は生えてなかったけど、衣装替えを適宜まぜてくれたガルボの濃オーラが立派に普通に旅客機的に私たちを最後まで運んでくれた。暴れん坊との十字架の誓いがひょっとして彼女の突然死を招くんじゃないかとヒヤヒヤさせたし、別宗派云々からの一悶着をも期待させたけど、このエンドが悪いってことは特にない。
そんな最後らへんでは彼女の声が単に落ち着いてる奇怪じゃないオトナ声になってた気がする。

あと、9年後の『ニノチカ』で初めてガルボが笑った(大笑いした)のがやはり映画史に残る大事件とされてるけど、既に本作でもけっこう彼女は笑ってるじゃん。

古今東西どんな映画においても、遊園地シークエンスというものは必ず楽しい。これ既に法則。