みおこし

雨に濡れた欲情のみおこしのレビュー・感想・評価

雨に濡れた欲情(1953年製作の映画)
3.2
過去鑑賞。まるでちょっと官能小説のようなタイトルですが、そんなことはなくリタ・ヘイワース姐さん主演のミュージカル。

ホノルルからニュー・カレドニアに向う船の乗客であるサディ・トムプスンは、道中とある南の島に降り立つ。そこで荒くれ者の軍曹フィル・オハラと恋に落ちるが、同じ船で来た生真面目な男デイヴィッドソンは、彼女の過去に目をつけて二人を陥れようと試みる...。

ここ最近観たクラシックミュージカルの中ではダントツでつまらなかったというのが本音...。原作はあの文豪サマセット・モームで、ベティ・デイヴィス主演の『痴人の愛』など、彼の作品の映画化は当たりが多かったので楽しみにしていたのですが、出てくる登場人物の心情が信じられないくらい共感できず(笑)リタ・ヘイワースの妖艶な魅力と歌を楽しむだけになってしまったのが残念でした。夏の蒸し暑い感じが画面を通してよく伝わってきて、汗の玉が額に光るリタ姐さんが女性から見ても本当に色気ムンムン!まさに稀代のセックス・シンボルという感じでした。

いかがわしい過去を突き止めて、彼女を更生しようとするうちに自らも彼女の魅力に取り憑かれて行くデイヴィッドソン役は名優ホセ・フェラー。彼のことも、アルド・レイ扮するオハラのことも振り回しまくり、何の罪悪感も抱かずに歌って踊ってのんびりしているサディの無神経さは思わず笑っちゃうほど。それがテーマだったのかな...と、リタの悪女っぷりを飲み込もうと必死になってしまう自分に気づきました(笑)。

ラストが急展開すぎてついていけなかったのも残念...(笑)。
若き日のチャールズ・ブロンソンは必見です!
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