平沢智萌xxxネタバレ気味注意

SHOAH ショアの平沢智萌xxxネタバレ気味注意のレビュー・感想・評価

SHOAH ショア(1985年製作の映画)
5.0
「SHOAH(ショア)」というDVD4枚組の映画で
簡単に言うとホロコーストの体験者や関係者達による
10時間を超えるインタビュアードキュメンタリー映画です!!

アウシュビッツの近くに農場を構える家族へのインタビューや
実際にアウシュビッツ行の列車の車掌さんや兵隊さんのインタビュー等
今だからこその貴重なオプザーバー含めたリアルなコメンタリ

俺がこの映画に興味を抱いたきっかけは、その農場の方の話でした

Q:アウシュビッツでの異変には気付かなかったのか?
A:時たま悲鳴が絶叫が聞こえてきていたので薄々感じていた
Q:それなのに変わらず農業をされていたのですか?
A:もちろんです。隣の人が指に怪我をして痛かったとしても、私は全く痛くないので。

こんな感じのやりとり…
ぶっちゃけていうと建前でいうならば「酷いな」と思うかもしれない。
でもオブザーバーだからこそリアルな話だなと思った
触らぬ神に祟りなしってヤツでしょうか…
加えてその当時の背景ももちろんあったと思う
自分に火の粉さえ飛んでこなければどうでもいい、という客観
あまりにもリアルすぎて、その「記憶」と「記録」を聞きたいと思った

他に収容所行き列車の車掌さんの話では
「バレれば殺されるのは分かっていた
 …が、それでも自分は彼らに水をあげたかった」
収容所行きの列車はとても劣悪で何時間も走行するため
到着時には囚人がすでに多数亡くなっていることも少なくないと有名です
そんな中で水が欲しいと呻いている囚人に対して
自分の命さえ危ういと分かっていても水をあげたかったという人もいた
農場の人のオブザーバー的感想もリアルだし
シンドラーのリストのように「人道」として
彼らを助けずにはいられなかったと思う人もいるのもリアル

他の方がレビューとして書かれていた
たったこれだけの話を見るだけでも
それら全ての様々な感情や思考が見えてきて
見る前からすでに心は苦しくてたまりません
でも、だからこそ「知りたい」し「聞きたい」んだよね…
日本で言うなら広島原爆と置き換えると
多少ではあれど分かりやすいのかもしれないよね

実際にホロコースト内部の映画や話や
創作映画ってのはあったりするけど
実際の体験者の完全なる客観視のインタビューは
殆どが「酷かった」ばかりな印象がある中での このリアル…

以前の作品たちでは「最低限の知識がある程度ないと理解できないんじゃないか」
ってのはあったりするんだけど、この「SHOAH」においては
「戦犯奴は一切どーでもええんや!ただしドイツ地理、各町、各駅、各収容所を完全に把握した上じゃないと理解が追いつかないやで!」という新しい事態に陥っていて学ぶの楽しい

そしてハッキリ言うとこの作品は
とてつもない大問題作と言っても過言ではないです!!
今までの俺のホロコーストでの価値観や客観視点がガラッと代わりました。
そしてそれを自覚することで「完全に自分が偽善だった」のも分かり
軽くショックを受ける反面、「やっぱりそうだよね、でないとおかしいよね」という裏付けにもなった

ホロコーストの裏に隠れているのは単なる淘汰虐殺だけではない
イジメには無関係者は一人もいない、という事項に似ている
オブザーバーの存在とその意識や思想、行動を明るみに出している

今までのホロコーストの作品は「ギリギリで生き延びた人」とか
「職員の誰か」だったりと、まだまだぬるま湯の人たちの証言しか
集められていなかったんだなということがよく分かる


10時間の長丁場になりますが、とても好奇心が収まりません!
詐欺にあってでも欲しかったDVDがコレでした(o´ω`o)
レンタルはどこにもされていません
買うしかないDVDです
約1万円します
でも、もし興味のある方居るなら(近場の人だったら)貸すよ!!