馬井太郎

東京キッドの馬井太郎のレビュー・感想・評価

東京キッド(1950年製作の映画)
3.7
この年齢で、これだけ堂々した歌と演技を見せ、死ぬまでトップの座に君臨していたのは、彼女以外世界のどこを探しても見つからないにちがいない。
 音符が読めなかった、と聞いたことがある。昔のジャズプレイヤーにもいた。そのせいか、楽譜は、♯♭の付かないものが多い。
 だが、歌そのものは、難しい。あれだけ聴かせてくれるのは、もしかしたら、読めなかったからこそ、ではなかったか、と私は思う。音符が読めなくとも、音楽が読めたのである。
 贅沢なプロモーション映画ではない、豪華な脇役陣が、がっちり支える美空ひばりの代表作である。