よしまる

踊る大紐育(ニューヨーク)のよしまるのレビュー・感想・評価

4.1
 6名+1の男女が踊りまくる爽快なミュージカル映画。

 ジーンケリーのダンスだけ頭一つ抜きん出ていて今さらながら惚れ惚れする。もう40歳手前とは信じ難い身のこなし、たぶん関節の数が普通の人の倍くらいあって、しかも自由に脱臼できると思うほどの軟体ぶりがすごい。シナトラの歌のうまさは言うまでもないところだけれど、やはりケリーが踊ったときの華やかさは尋常でないことを思い知らされる。
 ちなシナトラは後年に「私は踊ることができなかったがジーンケリーは私をできるように見せてくれた」と語ったそうだ。ダンスの振付や演出も手がけたケリーの凄さが伝わるエピソード♪

 名所巡りのようなロケハンの楽しさ、恐竜の模型やビルの絶壁など映画的おもしろさも満載であっという間に時間が経つ。
 ラスト近くに挿入されるファンタスティックなダンス、そして物語をきちんと回収するエンディング、楽しいひとときを過ごす映画という娯楽を束の間堪能させてくれるのが素晴らしい。

 これといって深みはないし、ミュージカルの楽曲も「雨に唄えば」「巴里のアメリカ人」に比べるとやや弱く、印象に残る歌は少ない。それでも、特殊撮影も合成技術も何もなく、ただ人間の肉体で作り上げた映像には驚嘆しかないし、映画としての全体の完成度以上に、技巧としてのミュージカルの水準の高さに痺れてしまうのだ。

 あと、ヴェラエレンの細い腰‼️
 たぶんそこらへんの人の太ももくらいしかないんじゃないか?昔むかし、生で工藤静香を見た時もビックリしたけれど、両手の人差し指と親指で囲えるほどの細さだ。あの時代のハリウッドスターは病的なほどに努力したのだろう。そんな彼女に敬意を表して0.3点プラス😊