ジャケットのジョシュ・ハートネットの表情が全てを物語っている。
ブラックホーク、ダウン!
ブラックホーク、ダウン!
米軍の軍用ヘリが墜落させられた事から始まる地獄の黙示録。
1993年、ジェノサイドとも言える規模で大量虐殺が繰り返されてきたソマリアの民族紛争に、アメリカが軍事介入し、和平に反対するアイディード将軍の副官2名を捕縛する為の作戦。それは30分で終わる筈だった。
甘く見たらあかんね。
地獄は15時間にも及び、
米兵160名vs民兵1,500〜2,000名の殺し合い。
民兵の集団は、こう言っちゃなんだがゾンビみたい。
お そ ろ し い ! !
ジョシュ・ハートネットだけじゃない豪華キャスト陣!ユアン・マクレガー、エリック・バナ、オーランド・ブルーム…。
そしてそして、出た〜〜!若かりしトム・ハーディ!エンドロールではトーマス・ハーディ名義。若いし細いし声高い!ジャニーズアイドルの若い時みたい!そんなトム・ハーディがトレスポのユエン・ブレムナーとコンビを組んで市街地で銃をブッ放す!!
爆発音と血飛沫と砂煙で、誰が何処に居るんだか気を抜くと見失っちゃう!
いや〜…こんな修羅場に置き去りにされたら…。
殺れ…殺れ…殺れ…!殺れ!殺れ!!
殺ってしまえ!!
脳内は悪魔の声に支配されるに違いない。
ソマリアの人が言いました。
「アイディード将軍を捉えれば、俺達が撃つのを止めると思うか?平和が訪れると思うか?これは俺達の戦いだ!」
他国の軍事介入の是非が問われる。
何が正義なんだろう。
いや、殺してしまえばそれは最早正義なんてもんじゃない。
下半身が吹き飛んだ友。
誰かが落とした右手。
出血を止める為に太腿の傷口を開き、奥深く沈み込む大動脈を抑え込む。痛がり屋の僕は失神寸前。
とことんリアリティを追求した映像に観ている僕らも思わず呟く。「もう、帰りたい…。」
そして、鑑賞後はジャケットのジョシュ・ハートネットと同じ表情に。
巨匠リドリー・スコットが描き出すソマリア内戦に介入した超大国の大失敗。音楽はもちろんハンス・ジマーで。