たろたろ

ブラックホーク・ダウンのたろたろのレビュー・感想・評価

ブラックホーク・ダウン(2001年製作の映画)
4.6
凄絶でドス黒くて、、
アメリカの新しい一面を見た気がする。非常に良かった。

全編のほとんどが戦闘シーン。こういうアメリカの戦争映画は概して、敵をバタバタなぎ倒し、その癖味方は全然死なないって言う戦争ゲームのような甘ったれた物が多い。僕は戦争映画こそリアリティが大事だと思ってるから、そんなのは全然好みじゃない。
実際、序盤はそんな映画だったけど、、

「ブラックホーク、ダウン」
「ブラックホーク、ダウン」

このブラックホーク(戦闘ヘリ)が撃墜されたシーンから全てが一変していった!

どんどん劣勢に追い込まれるアメリカの精鋭部隊。
その一夜の退却戦が凄まじかった。
敵の銃弾に指は吹き飛び、爆風で下半身が消滅して内臓が露出し、敵に捕まってしまったパイロットは恨みの募った現地人にリンチされ血祭りにあげられる……。

ww2での日本人やベトナム戦争でのベトコンのように、こんなにも生々しく生にしがみつきながら必死に戦うアメリカ人を初めて見た。

そんな中でも、1人でも多くの(例え死体でも)兵士を連れかえろうとする気概に、アメリカ人らしい勇気を発見できる。

他の甘ったれたアメリカの戦争映画で、味方1人のために号泣し、白々しく命の重さを訴えるシーンにはめっちゃ白けるけど、
この映画のようにこれだけリアリティを追求してくれれば十分納得ができる。いやー素晴らしかった。

そして、ラストの独白。
これがこの映画の肝であり全て。
理由を失った戦争の、惨めさと意味のなさ。例え大義名分でもあるだけマシ。

総じてとてもよかった。良作。
あと、ユアンマクレガーが脇役なの笑える。
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