【なんでこんな物を撮ったんだろうか??】
心理学者のフロイトが提唱した、防衛機制 (自己の心を守る為に起きる心理作用) の種類の一つに「同一化」があります。
心理学上の「同一化」を簡単に言うと、
『自分の尊敬する人や理想の人の行動や特徴をマネする事で、叶えられない願望を叶えたに近い気分を得て欲求を解消する事』
ガスヴァンサントは今作でヒッチコックに
「同一化」を図ったのではないでしょうか。
今作はいわゆるリメイクなんて生易しい物では無く、
オリジナルの脚本、構図、カット割りを使い、
完全にヒッチコック本人になりきろうとしています。
つまりこれはサイコのリメイクでありながら、
映画の神様に憧れたガスヴァンサントによるヒッチコック本人のリメイクだったのではないでしょうか。
ヒッチコックに同一化して映画を撮る事で、彼自身の心の、埋められない願望や劣等感を解消しようとしたのではないでしょうか。
不幸な事は、これにより最低監督賞を獲得し、神様との距離が更に広がってしまった事でしょう。
神様のマネをすれば神様の気分は味わえるが、神様になれる訳ではないのだから。
以上、ただの勝手な推論なので実際どうかは知らないです。
でもこの推論だと謎なのが、サイコを撮ったのがグッドウィルハンティングの直後な事で、製作時の彼自身の評価は高かったと思われるんですよね。
もしかしたら、彼のセクシュアリティとの関係性も深いのかもしれませんが、どうなんでしょうかね。
本当の理由知ってる方いたら教えてください。