みんと

ガス燈のみんとのネタバレレビュー・内容・結末

ガス燈(1944年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

元祖心理サスペンスで、しかもイングリッド・バーグマンということでずっと気になっていた作品。1944年版をプライムで鑑賞。

今でこそストーリー展開や意外性にインパクトはなく、良くも悪くも分かりやすい映画と感じてしまったが、それ以上に、「ガスライティング」の恐怖を覚えた。嘘の言動によってはもちろん、世間知らずの若者や耳が遠く頼りない老女をメイドとして雇うなどして、徹底的に孤立させ、自分ですら自分自身を信用できない状態にさせるというグレゴリーのモラハラっぷりを楽しめた。

これは白黒だからこそ精神的ダメージを感じることのできる作品だと思う。カサブランカでは「美しい」という印象だったイングリッド・バーグマンが、グレゴリーの嘘に洗脳され精神が病んでいく過程、そして、最後に縛られたグレゴリーに対して罵倒交じりに復讐する姿は、まさに名女優たる演技だった。恐怖感を助長させる陰影の演出はもちろん、厚かましいおばさんやエンディングがまさに古典作品と言う感じで面白かった。
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