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ガス燈の接続設定のレビュー・感想・評価

ガス燈(1944年製作の映画)
4.0
現実を虚構が侵蝕しながら、虚構でありながら現実が堕とされていく。

霧に包まれたロンドン、夜のロンドン、白黒映画の雰囲気が、作品のメインとなるモヤ、そして深み、ガス燈のようにゆらゆらとした独特な空気感と相乗的な実に素晴らしい。

物語全体の、はじめはちょっとした些細な出来事から、徐々に徐々に事態がおかしくなっていって、そこに染み込んでいく恐怖、狂気… 怯えるイングリッド・バーグマンの表情の演技や、虎視眈々としたシャルル・ボワイエのいやらしい目つきが実に良い。

現実を虚構が侵蝕しながら、虚構でありながら現実が堕とされていく展開が実に面白く、そのフラストレーションが異質に溜まれば溜まるほど、虚構の霧を払うように再び取り戻す現実が、また実に清々しいラストの景色がたまらないのだ。
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