Melko

ベルヴィル・ランデブーのMelkoのレビュー・感想・評価

ベルヴィル・ランデブー(2002年製作の映画)
3.9
見た目はおばあちゃん!
頭脳もおばあちゃん!
しかしその心は鋼鉄!絶対諦めない心!!

ピンチもへっちゃら 愛さえあれば

この作品を大画面で見れる日が来るとは…!その昔、レンタルした何かの予告編として流れていた本作。
興味はあったけど、クセのありそうな絵柄と馴染みのないフランス映画で一度も見ず。
そして!つい先日、映画館で何か映画見たいなーとフラッと見たら、、この作品があるではないか!
行ってきました、お初のアップリンク吉祥寺。制作20周年を記念した上映のようで。

手塚治虫の漫画のような絵柄のライブシーンで幕を開け、両親を亡くした内気で無口なシャンピオンと、豪快だが孫思いで意外に頭のめちゃキレるおばあちゃんと、おドジな肥満犬ブルーノのフランスの田舎での日々が綴られ、
月日は流れシャンピオンが出場するツールドフランス、あれよあれよと架空の都市ベルヴィルへ舞台は移る。

予想を裏切らない、おどろおどろしいキャラデザインと、温かみが溢れるものすごい描き込みの背景。
2人と1匹で穏やかに暮らしてたのに、ブルーノがヒステリーを起こす原因になった電車が、家を傾けさせてまで建てられた場面はシュールすぎたけど、すごく切ない。

マフィアの恐るべき目的のために誘拐されたシャンピオン。不屈の愛と真心で荒波をものともせず海を渡り追いかけるおばあちゃんとブルーノ。シャンピオンの帽子の匂いを嗅ぎ探すブルーノの頭の中に、シャンピオンの顔の次に彼が食べていたご飯(余ったらブルーノのエサになる)が浮かんできたのは笑えた。

身寄りもお金もなく困り果てるおばあちゃんに手を貸す、ベルヴィルトリプレッツのおばあちゃん3人。
カエルとオタマジャクシの一連は「うわお。。」だったけど(ぶっ飛び方法での釣りには絶句…笑)総じて気の良い3人。新聞と掃除機と冷蔵庫を家で頑なに使おうとしないのは、そうゆうワケか。
おばあちゃんも飛び入り参加のライブシーンは、見てるこちらもウキウキするビート感。

そんな、おばあちゃん4人と犬でマフィアのアジトへ殴り込み、シャンピオンを見つけたおばあちゃんの瞳にちょっとだけウルウル。
果てはハードボイルド全開の逃亡劇!
愛さえあれば、大丈夫。
まさかのおばあちゃんの武器がクリティカルヒット!!
ラストは最初の場面と同じカットで味わいありますなあ。
エンディングテーマがカッコいい。

ナレーターもセリフもほぼない独特の味わい。キャラも画もクセが強い。でもなんだか、好き。また見たい!

パンフも買えて、ホクホク♪
Melko

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