みーちゃん

ハロルドとモード/少年は虹を渡るのみーちゃんのレビュー・感想・評価

4.0
普遍的な思春期の1ページがよく描かれていて、痒いところに手が届く感じがする。

何がいいって、ハロルドの絶妙な年齢設定。19歳。社会的にはティーンエイジャーとはお別れ。でも、科学的にはれっきとした思春期なのです。

だから思い悩み、悶々とする。理解できない行動もする。当然です。思春期なんだから、それでいいんです。むしろ健全です。本作を昔の私に観せてあげたら、間違いなく大好きになるだろう。2人の人物描写や暮らしぶり、エピソード、どれもセンスが良くて楽しい(1つだけ、え!となったが、そこは深く考えずにスルー)。

でも現実にはこんな出会いは難しい。だから、ある人にとって、それは一本の映画との出会いかもしれない。或いは、小説や音楽、風景かもしれない。彼女はそんな触媒のような存在を体現していると思う。

※監督のハル・アシュビーは50代、脚本のコリン・ヒギンズは40代という若さで亡くなったと知りました。(本作は大学時代に執筆したとか)この感性で大人版も作って欲しかったから、とても残念です。