死んだ目をした金持ちのボンボンが、元気はつらつなばーちゃんに励まされ…は…はぁあああーっ……
激しく愛し合うぜ！！
…え？
みどころ：
金持ちならではの苦悩
超ハードコアな通過儀礼
戻しそうなほど濃い恋物語
爆笑死んだふりと創作霊柩車
あらすじ：
大金持ちの一人息子ハロルドには、毎日がクソで仕方ない。父は亡く、母は世間体以外に興味が無く、働く必要は無く、何の目標も無い。楽しみと言えば死んだふりで母を欺くことと、赤の他人の葬儀鑑賞という、屈折を極めた青春期を過ごしていた。
その日もどこぞの葬列に参入していると、奇妙な婆さんを一行の中に認めた。喪服も纏わず、神妙なシチュエーションをナメきった態度の彼女に、ハロルドは共感を超えた何かを感じ始めるのだった……。
不足感を募らせる登場人物が清貧で不遇をかこっていれば、感情移入しやすいのは当然。でも豪邸住まいの御曹司だって、健気な長屋のせがれだって、精神を成長させる難易度は変わらない。その負荷を過小評価されがちな富裕層の葛藤が、ユーモアたっぷりにかつ端的に捉えられていましたね。
ハイライトは何と言ってもコインのシーン。プライスレスなプレゼントを池へ投げ捨てて「これでどこにあるか忘れないわ♪」とは、なんと抑えの効いた情熱的リアクションか。豊富な経験値と精神の若さを兼備した者、すなわち熟女を超えし女、女の中の女にしか吐けない台詞なんでしょうなぁ…笑
『チャンス』を観た時ヤベェやつだとは思いましたが、やっぱりハル・アシュビー、ヤベェやつだったんですね。BL？ヌルいヌルい。こちとらBBL（BOY＆BBA's Love）だぜぇ。ワオ！
