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ハロルドとモード/少年は虹を渡るのnのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

傑作。

世間でははじかれ者でも、誰かに強く必要とされ愛される。生きる意味を与え合える。
真逆だけどどこか似ている2人が惹かれていく様がパズルがはまっていくみたいにすとんと心におさまる。
ハロルドとモード、それぞれの人間ドラマと純粋なラブストーリー。

お金があれば、与えられ続ければ幸せというわけでもなく、老いることが不幸なわけでもない。

映画だから多少ハード目にはちゃめちゃだけど、モードは不器用な母親の様に上から相手を否定して自分の考えを押し付けるのではなくいつもハロルドに寄り添って、こんな生き方もあるよ、と彼から歩み寄ってくるのを待ってる。
強引さもあれど、強要はしてない感じが心地よい。

そしてモードがただの先天性クレイジーなのではなく、一度きりの人生を生きる上で本当に恐ろしいことが何かを自身の経験から学び知っているからこそ、ルールや常識から外れることをも恐れない自由すぎる生き方なんだと、観る側に伝える表現がさりげなくて素晴らしい。

ラストが後追い自殺だったら陳腐なラブストーリーになっていたと思う。
臆病さが足を止めただけかもしれないけれど、どちらにせよ霊柩車もどきだけを落としたのは今までの自分との決別という意味に感じられる。
成長してしまった自分と現実を受け入れ大切なものだけはちゃんと残して前に進んで行くリアルな人間ドラマとして終えている。

こんなに明るくて深い、楽しくて切ない物語ない。
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