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トーマス・クラウン・アフェアーのYYamadaのレビュー・感想・評価

3.5
【クリソツ映画】比較鑑賞②
◆本作:
 『トーマス・クラウン・アフェアー』
◆クリソツな他作 (比較対象)
 『エントラップメント』

〈クリソツ・ポイント〉
・1999年に公開
・美術品泥棒と保険調査員の駆け引き
・ジェームズボンド俳優による主演

〈本作の見処〉
①名作を現代風にリメイク
・本作は、スティーブ・マックイーン、フェイ・ダナウェイ主演の佳作『華麗なる賭け』(1968)を現代風にリメイクした、犯罪映画。
・舞台は現代のニューヨーク。大富豪トーマス・クラウン(ピアース・ブロスナン)の裏の顔は華麗なる美術品泥棒。ある日、メトロポリタン美術館は4人組の美術品泥棒による盗難騒ぎに。館内が騒然としている隙をつき、トーマスはモネを盗み出す。
・モネ盗難事件に対するニューヨーク市警の捜査に加わった、スイスの保険会社のキャサリン・バニング(レネ・ルッソ)は、トーマスがモネを盗み出した犯人だろうと見当をつけ、彼に接近していくが、次第に彼の魅力に夢中となり、2人は急速に親密になっていく…
・本作で主人公のトーマス・クラウンを演じるブロスナンは、当時現役バリバリの「ジェームズ・ボンド」。
・彼はボンド役のイメージが固定するリスクを排除するため、『007』シリーズの合間に積極的に他作品に出演しているが、そのなかで最も成功した作品が『007』シリーズと同じMGM製作にて、意図的にボンドと異なる(温厚な)人物像を描いた、クライム・ロマンスの本作である。
・テンポが良く、お洒落な演出。エンドロールでは『華麗なる賭け』のテーマ曲が奏でられ、最後まで楽しめる作品となっている。

②鮮やかな犯行手口
・クリソツ作品の『エントラップメント』と比べると、犯行手口は洗練されており、インテリジェンスを感じる。
・特に終盤の犯行では、トーマス・クラウンに対する、警察の捜査包囲網を潜り抜ける見事な手口であり、クライム・サスペンス映画のクライマックスとして、十分納得出来る。

③クリソツ作品と比較すると…
▲: 作品規模(制作費)は他作が上回る
 本作:48百万ドル 他作:66百万ドル
×: 世界興行収入は他作が大きく上回る
 本作: 124百万ドル 他作: 212百万ドル
○: 鮮やかなラスト犯行手口は、しっかりと作品の見処となっている。
○: 起承転結がしっかりとしたストーリーラインとテンポの良い演出
○: ジェームズ・ボンド現役俳優(当時)の大人の魅力が、作品質を高めている
▲: 『ダイハード』ジョン・マクティアナン監督の控え目演出にて落ち着いた作風となったが、印象的な場面はさほど多くない
▲: 撮影時44歳のレネ・ルッソ。熟女ヌードを披露も、妖艶さはゼダ=ジョーンズに軍配
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