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Mのsonozyのレビュー・感想・評価

M(1931年製作の映画)
4.0
フリッツ・ラングの初のトーキ作品。
サイコスリラーの元祖とのこと。

連続少女殺人事件の犯人をなかなか挙げられない警察は物乞いを子供の見張り役に動員。一方、犯罪組織は警察より先に犯人を捕まえると意気込む。

盲目の風船売りの男が聞いた、犯人の口笛の曲。
若者が発見した犯人らしき男のコートにチョークで付けた「M(Mörder/Murder:殺人者の頭文字)」の文字。

犯人が逃げ込んだビルに、警察より先に集まる犯罪組織。
彼を追い詰めるスリリングな展開。

憎しみに満ちた群衆が集まる公開裁判的な場面。
強迫観念にやらされたんだ!と叫ぶ犯人。
少女を何人も殺してるんだぞ!親の気持ちが分からないのか!死刑だ!殺せ!と殺気立つ群衆。
弁護人が彼は精神を病んでいる!と必死で抑えようと叫ぶ。。

このギョロ目が素晴らしい犯人役のピーター・ローレ。
彼が吹く口笛「山の王の宮殿にて」(戯曲『ペール・ギュント』の劇付随音楽の1曲)の不気味さ。

そして、群集心理の恐ろしさとその警笛。
これが1931年の作品とは。

しかし、室内シーンのタバコの煙の量。画面霞みまくり(笑)。
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