knkne

Mのknkneのレビュー・感想・評価

M(1931年製作の映画)
4.5
Mはまあお察しの通りだけど個人に向けてではない。にしても犯人の目力たるや。
現在にも通ずる社会、民衆の危うさ。
疑心暗鬼と私怨と被害者の怨念が街に立ち込める。犯人は陽気に口笛など吹きながら闊歩する。
やがて犯人には背中にMの烙印が押され断罪を迫られる。ジャケットにもなっている振り向いてMを確認するシーンがやっぱベスト。
ラストの一言がより怖い。
サイコスリラーはもうこの作品でほぼ完成していたのでは?

「大衆とはいかに残酷でずるい人たちか、ということを念頭においていかないとダメですね」
「芸人になって痛切に感じたこともあるし、やっぱり一番のファンが一番足を引っ張ることとかごく普通の日本人とされている人たちが戦争のような集団犯罪の時いかに残酷になれるか、民衆とはそういうものであって過激な指導者はそれほど残酷でないような気がするんですよね」
たけしと蓮見重彦の対談においてのこのセリフがこの作品を観た後に頭をよぎった。