【人は人を裁くことができるのか?】
聖書の文化圏では、神が裁きを下す際に「赦すこと」を何らかの形で担保することで公正さを示すとされています。
では人間が裁きを下す目的は?
法は人間が裁きを下すことを周囲に肯定するためのものなのかもしれない。
いずれにせよ、神の所業とはかけ離れた目的が含まれてしまうものが、
往々にして人の手による裁きです。
人を裁くことの是非は1930年代の今作から現代まで議論されてる内容だけに、
いかに難しい議題なのか考えさせられます。
そもそも「人」を裁くということですが、
凶悪な犯罪者=人権はあるのか?
といった議題もあります。
人間の権利は人間にあるべきで、
生物学上、法律上、人間であるだけで、
凶悪犯罪者がありとあらゆる権利を有してるのはどうなのか考えさせられます。
だからといって正義感に走って、犯罪者を自らの手で裁きを行ってもいいということにはならないです。
そんなこと被害者の立場からしたら関係ないでしょうが。
100分という比較的短い上映時間で映画自体の面白さもさることながら、
多くのテーマを盛り込んだ今作は間違いなく傑作だと思います。