「M」に投稿された感想・評価

梶岡

梶岡の感想・評価

5.0
さて、梶岡600本目のレビューは、ミステリー映画の創造主、「フリッツ・ラング」監督の代表作!!
今作を何かの節目にしようと前々から機会を伺っていて、やっとMarkをつけられます…!😊

サイコ・サスペンス映画の始祖にして至高の傑作、『M』(1931)をレビューします…!!✨


【あらすじ】
舞台は1930's,ベルリン。🇩🇪🍺🏰
その時代のベルリンでは、連続少女誘拐続殺人事件が発生していた。
犯人は狡猾で用意周到、警察は総力を上げて捜査網を拡げてゆくが、手がかりは全く掴めない。
市民はとうとう警察に愛想を尽かせ、自警団や自主的な捜査線を展開してゆき、ある日一人の怪しい男に目をつける。
チョークで「M」(ドイツ語で"殺人"を意味する「Mörder」の頭文字)のマークを付けられたその男は、徐々に追い詰められていくが…。

こちらを初めて観たのは大学入学直後で、衝撃の映画でした。🎞😌
約90年前に制作された作品ですが、今作が掲げる議題というのは「人間の善悪」という実に普遍的なものであり、フリッツ・ラングは30年代以後もこの課題が解決されぬものである事を見越していたからこそ、この『M』という映画は現代を生きる僕らにとってしても非常に正鵠を射た内容となっています…🙃

これは悲しい先見性ではありますが、ラング流の人間の業への責めてもの償いとして今作があるとするなら、その「副産物」としては粗雑に扱いきれない程のクオリティと、トーキーながら「音」を感じさせる映像美学がここにあると思えば、案外この世界も悪くないかなと思えるほど…!🎼

『セブン』も『シャイニング』も『サイコ』も『羊たちの沈黙』も、それら全てのサイコ・サスペンスの母体が今作であり、今も尚見劣りしない、モノクロに溶け込む「殺人者の恐怖」と「恐怖に晒された民衆が生む恐怖」の表現は実に秀逸なもの!
もちろん時代も考慮してはいますが、内容としても☆5.0は決して過大評価ではないと僕は感じます…!😎✨🎥

エドヴァルド・グリーグの『ペール・ギュント』が古くも耳に新しい、この一世紀前の新鮮さを、是非皆さんも機会を見つけて追体験して頂きたいです!
文句なしに、梶岡おすすめの一作です…!!✨
smmt705

smmt705の感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

影だけが喋ったり、ボールが転がるだけとか、さっき買ったはずの風船が電線に引っかかるとか、人がその画面に不在だとしても明らかに存在した事が分かる。そして物語は犯人探しの刑事モノ、とはならず、割と早めに犯人が分かり、その後、犯罪集団と刑事が別の角度から追い詰めていく様子が面白い。最後の犯罪集団たちのアジトなのかな?地下での任意裁判みたいなやつにかけられたピーター・ローレの顔!人を裁くとは?という問いを投げかけられた後に、警察が乗り込んでくるのだけど、その姿は映さずに、ピーター・ローレに飛びかかろうとした男たちが警察の声で飛びかかるのをやめて、皆が手を挙げて終わるというのも、超クールだった。
犯人に問い詰める市民も恐ろしい
a

aの感想・評価

3.1
こちらもずっと見たかった作品!
結果的に私はあまり好みではなかった(笑)
いわゆる、責任能力について語っているのかな?

単に犯人が捕まって終わりという話ではなく、その先の話でした。
とにかく、タバコの煙が気になる。時代のせい?
ラングベスト
無駄のないお手本のようなサイコスリラー。


犯人・警察・自警団の三つ巴はよくあるけど、その自警団が決して褒められたような連中じゃないってのがプロットとしてまず面白い。

フリッツ・ラング初のトーキーらしいけどサイレントに近い気も、外では周囲の音があんまり入ってないし引きで観せられる人の会話とかも聞こえない。
物語としての必要な会話とこっちが客観的に観る話運びの為の画が使い分けられ無駄が少ないので、引き込まれていく。

ピーター・ローレはふくよかなシルエットにクリッとした目が印象的で、その目がシーンによってはギョロっとした恐ろしい表情に変わるのがいい。

背中にMってのも凄い映画的な魅力がある演出で、誘拐した子供に気づかされたピーター・ローレの表情よかった〜。


置いていかれた奴がハシゴ登ってきて警察に今手挙げられへんやろってのと、最後の裁判での大勢が手を挙げるシーン。あれ撮りたかったやつやーん。ってニヤけた。
lemmon

lemmonの感想・評価

4.2
主役がいない。
冒頭からある街に起きた連続殺人により、街全体がお互いを監視する異様な空気感が漂う。それに反した無邪気な子供達。怖い。


警察と、悪漢を中心とする街の自警団が犯人を追うが、目的が、殺人犯の逮捕と子供達を守ると、若干異なる点がミソ。

当然メインどころは連続殺人犯逮捕だが、警察が違う目的も果たそうとする流れも同時進行で起こり、めっちゃゾクゾクした😆

ただのサスペンスじゃない。
深追いをいくらでもできる物語の厚みと余白。


もーラング監督、やっぱ大好きだなあ!
避けてたサイレントも観てみよう!ってレンタルなかなかなさそうだけど。


観る前に思っていたほど、ローレの色は濃くなかった印象。とても良い意味で。
Amazonで「ミスペリー・サスペンスコレクション」というDVD10枚セットが1500円(!)で売られていたので購入。1番の目当てはこちら「M」でした。1931年に作られた、ドイツの元祖サイコホラー映画。連続幼児誘拐殺人事件を起こしたシリアルキラーのお話。

子供が殺人鬼(カニバリズム)の歌を口ずさむという、なんとも空恐ろしい始まり方。冒頭からズズッと引き込まれた。1931年というと、ちょうどワイマール民主制が終わりナチの時代に入る少し前ぐらいでしょうか。そんな時代に作られたサイコ映画と思うとなんだか感慨深いですね。。

全編通してBGMが全くないので、誰も喋っていないシーンはとにかく無音。危うく居眠りしそうになりました。寝ました。また話の構成として、前半の尺ほとんどが「いかに捜査が難航しているか」を警察の視点で描かれているのでちょっぴり退屈でした。「この時代は虫眼鏡を使って地道に指紋を照合してたのか、大変だなあ」という感想はあるものの、ワクワクはしませんでした。

もっと殺人鬼の視点にフォーカスしてる方が個人的には好きだなあ、、と思ってたら後半、犯人の姿が画面に映りだしてからは結構面白くなった。特に最後の私裁判のシーン。本作はサイコホラーやサスペンスというよりミステリー寄りですね。う〜む。面白かったけど、前半が退屈すぎて後半に辿り着くまでに冷めてしまいました。期待してただけに少し残念。
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