Hobbs

十三人の刺客のHobbsのネタバレレビュー・内容・結末

十三人の刺客(2010年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます




その昔、「○○人の○○」みたいな七人の侍的チーム戦メインのチャンバラ映画が一時ブームになった時代があったらしくその中で一番の大ヒット作となった「十三人の刺客」のリメイク企画の監督をよりによって毎年毎年毎年毎年毎年毎年毎年毎年毎年日本映画をメチャメチャにして世界にその悪名を轟かし続けているあの大問題児三池監督に任命。
三池監督曰く「日本映画がアツかった時代の熱を取り戻す!」という監督らしくない高い目標を掲げ世間の売れ線に流されない硬派で武骨な映画を目指したとかで、まずこれ三池監督、絶対監督やってないよな?本当は違う人間が監督やったんだろ?正直に白状しな!…って別の人間にやらせた疑惑が浮上してもおかしくないくらい三池成分が薄い!三池崇史の名前を伏せた状態で世に出したらまず誰も気づかないレベルの本格ガチ時代劇!

いつも見る者の頭を悪くさせてくる厄介な三池ワールドをウパシーっ!からの岸部一徳!のくだりだけに留めながら、日本映画がアツかった時代を取り戻す!の宣言通り三池監督やこの映画に携わった全ての人達による邦画離れしてしまった観客にもう一度邦画を面白いと言わせる!という熱意と想いがビシバシと伝わってくる本当に熱苦しい男祭り映画でありここまでやられたら失礼だが元ネタの東映版十三人の刺客を見なくてもいいような、逆を言えばやる気になればこれくらいしっかりした映画がやれるのにテラフォやジョジョとか何でそっち方面へ走ってしまうんだっていう(笑)

自宅の庭で近距離マンハンティング、通りすがりにレイプ、腕足舌を斬り取って放置……マッドマックスのイモータンジョーが毎日仕事が終わったらまっすぐ家へ定時に帰宅する愛妻家に見えてくるぐらい他所の映画の悪役とは悪行の張り切りぶりが全然違う悪の教典稲垣吾郎。
こんなんがもし職場の社長であった場合、朝礼の場で「余が老中になった暁には再び戦の世をあらしめることにしようぞ。」とか言い出しても下っ端平社員のこちらは「はい!五郎さん!」と言って頷くしかない。

1人だけ殺陣が異様に綺麗な松方弘樹、1人で5人分の戦闘力はある二刀流の伊原剛志、メンバー中1番ありえない程存在感が存在してなかった近藤公園、謎の生命体伊勢谷友介、暗黒大将軍稲垣吾郎討伐を目的に集められたアクの強い個性派揃いなこの和製エクスペンダブルズを一体誰がまとめるんだと聞かれたらこの人しかいない、役所広司!

この人が主演をやればどんなつまらない映画でもマトモな映画に見えてしまう邦画界最強クラスの名優で、もしこの人が自分の上司なら朝出勤してきて急に部下の前で「天命あって集いし我ら十三人、命を捨て大事を為す時が来た。各々方、覚悟はよいな!斬って斬って斬りまくれぇぇ!!!」なんて言い出しても俺は「おう!」と言いながら最後まで役所広司について行く笑
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