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十三人の刺客のMASHのレビュー・感想・評価

十三人の刺客(2010年製作の映画)
3.5
エンターテイメント性の高さと三池監督ならではのゴア描写により、非常に楽しめる作品となっている。しかし、13人という数のキャラクターは扱いきれていないし、監督の悪い部分も出てしまっているように思えた。

まず良かったところ。言わずもがなあのアクションだ。チャンバラ映画の中でも非常にクオリティが高いように思える。一流の役者たちが泥と血にまみれて戦う様に惹かれないわけがない。また、先ほども書いたが、三池監督ならではの描写がより面白さをプラスしている。両手両足を切られた女もそうであるが、手を使わずに犬のように飯を食う殿の様子など、観客がゾッとするような演出が相変わらず上手い。

しかし、やはり13人という人数。大半が空気のような存在になってしまっている。キャラどころか顔すらも印象に残らず、見せ場のシーンでも「こいつ誰だっけ?」という風になってしまった。また、伊勢谷友介演じる山の民のキャラはいらないような…。キャラクター性は『七人の侍』の菊千代とほぼ同じなのだが、特にストーリーもなければ魅力的でもない。そもそもこの役者にこういう豪快なキャラは似合わないと思う。

そして、何より頂けなかったのはギャグシーンだ。寒いったらありゃしない。せっかく重厚感のある映画なのに、あんなピクリとも笑えない、むしろちょっと引くようなギャグをやられては台無しだ。

面白いことには面白い。2時間20分という長さを飽きずに観れたし、盛り上がりの持って行き方もとても良かった。否定的な意見も書いたが、非常に満足感のある作品だ。
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