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十三人の刺客のTRBのレビュー・感想・評価

十三人の刺客(2010年製作の映画)
4.9
十三人の刺客リメイクとしてあまりに壮絶。
現代時代劇において最高峰の出来といって過言ではない。

大衆活劇の元祖として有名な本作を、更に過激に描いた三池作品の意欲作。

役所広司と市村正親の駆け引き、障子を隔てて殺気をはらんだ男達。
蝋燭や月明かりの雰囲気を映し出すように顔に落ちた影、その中で失わない目の輝きを見事に演出しており、当時の会合などはこういったものかと思わせる描写が素晴らしい。

脇を固める役者陣の見事。
松方弘樹の殺陣はいつ観ても惚れ惚れし開いた口が塞がらず、古田新太の図々しくも芯の強さを垣間見せる武士の笑みに言葉を失い、伊原剛志の威風堂々たる剣客の立ち居振る舞いに心を踊らされます。

なんといってもこの作品を一段上に押し上げたのが、稲垣吾郎の狂気をはらんだ演技は見事としか言いようがない。
正直、言葉は悪いがジャニーズにこの面子を圧倒する相手役が務まるとは思いもよらず、時代背景に合わせるなら天晴れと、この言葉に尽きる。

アクションは最大の見所ではあるが、そこかしこに「武士とは?」といった武家の本懐を投げかけており、善悪を越えた立ち位置による武家社会の虚無や哀感を映し出しているのが秀逸。

長々となってしまったが、やっぱりチャンバラが好き。
顔だけのしょうもない若手を使い、似たような脚本を使い回す量産型の映画を作るより、(言葉が荒くなって申し訳ございません。)日本映画の古典を今一度見直すきっかけになってほしい作品。